かに座について
蟹座は最も明るいβ星でも3.8等、他は4等星以下と全体に暗い星からなる星座である。
α Cnc(4.2等星、F0型)とι Cnc(4.3等星、G6型)を合わせてアクベンス(Acubens)と呼ぶ。アラビア語で「蟹の爪」のこと。なお、ι Cncは4.2等と6.6等の星から成る双眼鏡で分離できる程度に離れた二重星となっている。
β Cnc(3.8等星、K4型)をアルタルフ(Al-tarf)と呼ぶ。アラビア語で「終り」と言う意味を持つ。蟹の脚の先端にある蟹座の中で最も明るい星。
γ Cnc(4.7等星、A0型)のアセルス・ボレアリス(Asellus Boreallis)とδ Cnc(4.2等星、K0型)のアセルス・アウストラリス(Asellus Australis)の二星はかつてAselli(驢馬(ロバ))という星座とされていたことがあり、その北側あるいは南側の星と言う意味でこの名がついている。
ζ Cnc(4.7等星)のテグミン(Tegmine)はラテン語で「覆い」の意味を持つ。5.63等、6.02等、6.2等の三星からなる連星系で59年の周期を持つ。
ほぼ星座中央にあるM44プレセペ散開星団が何より有名である。アラビア名はアンナトラ(An natra)。実視等級3.7等。M44はε Cncとして扱われる。γ Cnc、δ Cnc、θ Cnc、ηCncの作る四辺形と中心のM44の領域は、中国の星座では二十八宿の鬼宿(和名:魂緒(たまを)の星)に当たり、積尸気(ししきあるいはせきしき)と呼ばれる。屍体の山から立ち上る精霊(魄)が集まる姿とされる。
よく間違えられるが、「かに星雲」はその形がカニに似ていることから命名されたものであって、かに座ではなくおうし座にある。
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